2015/09/18

虚数?

虚数という言葉をご存じでしょうか?

そのまま読むと「ウソの数」です。

本質的には「想像上の数」。数学的には「実数ではない複素数」と言います。

この反対が「実数」

例えば、1,2,3,4という僕らが見ている数が「実数」。

で、その反対の虚数は「想像上の」数です。


複素数は " a  +  b"で表現するのですが、

「bが0でない(つまり1でも-1でも何でも良い)」のが複素数の条件です。

例えば、 2 + 5i です。

このiの部分が「虚数」の部分で、iを「虚数単位」といいます。
単位と言うくらいですから、虚数であればiを付ければいいわけです。


iは"imaginary"(想像上の)からきています。

では、iとはなんぞや?

という話ですが

大雑把に言って、「二乗しても0以上(つまり正)にならない数」です。


例えば、




これのルートを外すと








ん?

二乗したら全て正になるのではないか?




そう、もしそういう疑問をお持ちであれば、その通りです。
実数は必ず二乗すると正になります。

統計で使う標準偏差(大雑把に言って、平均値との各数の差の平均)は
全ての数の差をプラスにするために、全部二乗して合計していきます。



これは実数の話。



で、この起きえないこと(二乗するとマイナスになる)定義したのが「虚数」です。


まぁ、論理学の世界ですね。

反対の概念を考える。






もう、ここら辺で数学が苦手な人は混乱します。

何故「存在しない」数というのがあるのか?
そもそも「存在しない」って何よ?
「存在しない」数を習ってどうすんねん!(高校の数学で出てきます)


まぁ、習うからには意味があるわけです。
(意味も無いものをカリキュラムに入れるほど、バカではありません)



例えば、交流を表すには「振れ幅(ボルト)」と「位相」というもので表現しなくてはいけませんが(直流は単純に実数で表現できる。1500Vとか)、これを表現する時(フェーザ表示)に複素数を使うと使い勝手が良かったりします。


まぁ、多くの方にとっては使うことがないので、そのように思われても仕方ないのかもしれませんが、


ただ、「あるところを見る」だけでなく「(存在し)ないところを見る」というのは、統計や分析においてはとても重要な思考方法です。


例えば、競合が多い所を見てそこで戦うよりも、「どうしてここに空白があるのだろう?」と考えて「誰もやらないということは、何故だろう?」「どうやってやればこの空白を埋めることが出来るんだろう?」という発想がないと、ビジネスはできません。


これは「実数」だけで考えるのでは無く、その反対の「虚数(複素数)」も考える思考と類似しているのではないかと思います。


ただ、これは高校生には難しい思考法かもしれませんけどね(笑)

2015/08/31

関数?

前回も出てきましたが、関数を数式で表すと



で、ここで疑問に思うのが、なんでf(x)で表示するのかということ?


「関数」は元々英語で"funciton"です。で、これを省略してfで表します。

これだけ。

で、もっと辿ると昔は「函数」って書いたらしいです。
戦後「函」が当用漢字に含まれなかったので、「関数」って書かれていったそうな。

色んな説があるみたいですが、関数(函数)は中国語からきていて、functionをそのまま音で漢字に当てはめると「函数」になったという説があります。他にも説がありますが、真相は分かりません。

そんなもんです(笑)



上では関数を
と書きましたが、厳密には


です。

「xが変わっていくと、yが変わっていく」という意味です。


例えば、こんな問題がありませんでしたか?
「たかしくんが、自転車に乗って時速10kmで1時間走りました。何km進んだでしょう?」というやつ。

例えば、時間をxとすると、距離が変化しますからこれをyとします。

そうすると

y=10x

という式ができるわけです。

これ、立派な関数です。



後は、xを2にしたり、10にしたりして自由自在に変えることで、yが分かるわけです。

このxを独立変数、yを従属変数と言ったりします。



言葉が難しく感じるかもしれませんが、
こういう場合はy(従属変数)を捉えて、「xに従属する」と捉えると分かりやすいです。
で、xは自由に変わるので「独立変数」



統計学では、相関性(ある事象とある事象の関係性に何らかの法則があるのではないか?)を計算式で表します。

その時に、xに因果関係の原因側を置き、yに結果を置きます。

↓こんな感じです。(相関係数はややこしくなるので無視して下さい(笑))



そうすると、xに未来に起きうることを代入すると、yに結果がでてきて
「こうなるんちゃうか?」という法則性に基づいた結果を予測することが出来るわけです。

よく、経済学とかで「○○モデル」と言われるのは、経済の事象を計算式で表現して、xに数字を代入すると、その結果が出てくるという奴です。


関数というのは、結構使えるものなのです。

2015/08/30

数学は簡単にするために存在している

関数

1次関数、2次関数という言葉を聞いたことがある型も多いと思います。
私の頃は、高校の「数I」とか「基礎解析」という科目で習いました。

まぁ、理解はできなくもないけども、ピンとこなかったですね(笑)

1次関数を式で表すと

2次関数は

これが3次関数だと、、、もう分かりますね。


このXの乗数(2乗とか3乗とかの数字)が、[なんとか]次関数といいます。
数学の場合は、数字が変わったりするので n 次関数とか言ったりもします。


例えば、
の a に3、bに3、cは0とすると
になるわけです。


このa,b,cが数字が決まっていない場合(一般化といいますが)
と表すんですね。

まぁ、a,b,cに何を入れても良いわけです。
0の場合は、0と書かずに消します。

消した方がシンプルになるでしょ?

数式は「シンプルにする」というのも、実はルールだったりします。

何故か?


複雑になると、間違えるから(笑)



例えば、

という設問があったとすると、

ルート「√」があると、計算しにくいので両辺を二乗して、ルートを消します。
両辺を二乗するのは、片方だけ二乗するとイコールにならないから
これ、重要です。

数学にしろ算数にしろ、分からなくなるポイントの一つです。
「イコール」というのは、左右両方(両辺といいます)が釣り合っている状態。
これを勝手に左だ右だと移動すると、バランスが取れなくなってしまいます。
このバランスをとり続けるのが、関数などの数式でとても重要になってきます。

これを「a=」の式に直したいのですが、
数が多すぎてよく分からなくなるので、一部をまとめてみて一つの文字にしてみます。
そうすると
文字が少なくなりましたから、簡単にみえるでしょ?(笑)

いや、これが重要なのです。

とにかく簡単にすることで、計算しやすくなって、間違いを防いでくれるのです。

だから、難しくするのではなく、簡単にするようにトライをしていけば良いのです。



あとは、省略します(笑)

2015/08/16

3.べきこん?

まず、ベトコンではありません



べきこん(冪根)

平方根というのは聞いたことがあるかもしれません。


↓これ

ルート2とかいいます。
1.41421356...

むかし、「一夜一夜に人見頃」とか習いませんでしたか?






xを2回かけたら2になるxはなんでしょうか?という意味。
これをルート(√)で表現します。
電卓でもルートボタンがあるものもありますので、それで計算します。


では、これが5回掛けた場合(5乗)はどうするか?

こう書きます





左上に5という数字が入ります。これが「べき根」です。

つまり、






これは電卓では無理です。
関数電卓やExcelじゃないと出てきません。

ただ、Excelでもちょっと工夫が必要です
これだけ抑えておきましょう。

5乗根は1/5乗と同じです。



これさえ抑えれば簡単。Excelでは =2^(1/5) と入れます。



これはどこで使うかというと、年平均成長率(CAGR)とか金利の計算をする時に使います。

例えば、

10年後に100万円を作るとする。今手元に10万円しかない。運用するとすると利回りは何%必要?

という奴です。

こういう時にいきなり数式を考えると、樹海にはまります。

なので、順番に考えてみましょう。

「利回り+100%」をx%とします
(利回りが5%だとすると、105%という意味です。計算しやすくするためにそうします。)

そうするとこんな式になります。





で、これをxの十乗だけ残して、10万円を右に移します。
これを数学が得意な人は「右辺に移項する」といいます(笑)







で、右側(右辺)は簡単ですね。10です。
いや、左は%ですから、100かけて1000%!です

で、これを戻すと




これをExcelで計算してみましょう。









Enterキーを押すと








出ました。

1.995ということは199.5%。

んで、さっき100%を足していましたから、199.5%-100%で99.5%になります。

つまり、10年後に10倍にするためには、毎年利回りを99.5%必要になるということ。


これを10乗根せずに10で割ると、100%になってしまいます。
(つまり実態よりも大きな数字が出てしまう。これが複利計算の落とし穴)

とはいいつつも利回り99.5%も100%も変わらないじゃんと思うかもしれませんが、
その通り(笑)

FXするかジャンク債を買うか、好きにしてください(笑)


でも、仕事となると結構大きな数字を使うことが多いので、このコンマ数%が大きな違いを生んだりしますので注意が必要です。



ちなみに「べき乗根」とも言うらしいですが、これは誤用らしいですね。
Microsoft Officeの数式ツールを見たら「べき乗根」って書いてました。

2. 文字に欺されない

私みたいに数学が苦手な人が止まるのが


α

β

γ

δ

π

というギリシア文字。

アルファー、ベータくらいは分かっても
ガンマーだとか、シグマだとか、パイだとか
だんだん嫌になってきます。


だったら、最初からアルファベットでええやん!と思うわけです。


まぁ、諸説ありますが、数学ができあがったのがギリシアだったからというのかもしれません。


別にアルファベットでもいいです。
なんなら、ひらがなでもいいです。



たとえば

 \sigma^2 = \frac{1}{N} \sum_{i=1}^{N}(x_i - m)^2

(これをσだけにすると標準偏差になるんですが、これはまたおいおい)

これを日本語だけであらわすと

ハッキリ言いましょう。面倒です(笑)


なので、ひらがなにしてみると










これ、ホンマに暗号になります(笑)

却って分かりません(笑)


なので、記号を使った方が実はシンプルだったりします。




じゃぁなんでσ(小文字)とΣ(大文字)を使い分けてるのか?


こう考えましょう。

数列の合計を表すのに、Σを使っています。

英語ではSummation(合計)で、それに相当するギリシア文字でΣ

他でもΣを使うと混乱しますよね?
だから小文字のσを使うと思ってください。

意外と単純。


σは標準偏差で使うのですが、英語ではSD:Standard Deviationで、ラテン文字のSはギリシア文字のσに相当するのでσを使う。


が、他の領域でもσを使ったりしますので、ややこしかったりします。

興味がある方はこのページに詳しいです。


まぁ、こんなもんは風習だったりするので、別に一々ひっかからなくてもいいわけです。

かなり乱暴なものですが、だいたい分かればいいやくらいのノリでお願いします(笑)

2015/08/13

1. logってなんだ?

統計をやっているときに時々出てくるlogなるもの。

log9とか出てくると「????」となる方もいらっしゃるかもしれません。

wikipediaの対数のページには


正の実数 a ≠ 1 をとると、 任意の正の実数 xに対し
 x=a^p\,
を満たす 実数 p が唯一つ定まる。この p を
 p=\log_a x\,
と書き、p のことを a を(てい、 base) とする x の対数という。このとき x のことを真数 (しんすう、 anti-logarithm) という。この対数の定義は、オイラーによる。(1728年

と書いています。

もう明らかにこれは数学が得意な人が書いた文章ですね(笑)




こういう時に、私みたいな数学が苦手な人は用語でひっかかります。


例えば

3の2乗は3×3で9ですね。
これをいちいち書くと面倒なので



と表現します。


ちなみに、Excelでは

 =3^2

と書けば、3の2乗が計算されます。


で、これをlogを使って表現すると




となります。

言葉で言うと
3を「何とか」乗すると、9になる答えは何だ?
となるわけです。

その「何とか」が2

となるわけです。


なので、logが出てきたら「何乗」なのかを求めれば良いんだと頭の片隅に置いておきましょう。

ってか、どこで使うのよ?それというのは、また今度